ドライアイの治療
ドライアイは、様々な要因で涙が安定しなくなり、眼の不快感が生じる病気です。
最近では、パソコンやスマートフォンの長時間利用や、エアコンなどで空気が乾燥する環境が多くなり、この疾患の方が非常に増えています。その数は約2000万人といわれています。また、コンタクトレンズを利用していると、その表面から涙の蒸発量が増すため、ドライアイの症状を引き起こすことが多くなります。
ドライアイは、下記の症状を引き起こします。
- 目が乾いた感じがする
- 目がゴロゴロする なんとなく不快感がある
- 目が疲れやすい
- ものがかすむ
- 光をまぶしく感じやすい
- 目に痛みがある
- 理由もなく涙が出る
- まぶたが重たくなる
- 目が赤くなりやすい
など
ドライアイの方では、実際の視力が良くても涙が不安定になるため「ものがかすんで見える」など見え方に影響が出る場合があります。
治療について
当院では症状によって、下記の治療をおこなっています。
- 人工涙液の点眼
涙に近い成分で不足した涙液を補充します。涙液量増加時間は3~5分。市販の点眼薬も多く販売されています。 - ヒアルロン酸製剤の点眼
保湿効果があり、目の表面の涙液を蓄えてとどめます。涙液量増加時間は10~15分。 - ジクアホソルの点眼
結膜の細胞そのものに働きかけ、水分や涙液の成分であるムチンの分泌を促します。涙液量分泌時間は45~60分。しみる感じや目やにが出る場合があります。 - レバミピドの点眼
もともと胃炎・胃潰瘍の治療薬として用いられていた薬剤です。ムチンを増やし、角膜のキズを修復する作用が強いため、痛みや異物感の強いドライアイに有効です。点眼直後にかすむ感じがあり、鼻腔に流れると苦味を感じることがあります。 - 低濃度ステロイドの点眼
炎症を抑える効果のある目薬です。主に炎症や免疫の異常に伴うドライアイに用いられます。 - 液体コラーゲンプラグ、シリコン製涙点プラグの装着
通常、涙は上まぶたの外側にある涙腺で作られ、上下まぶたの内側にある涙点から鼻腔に流れ出ていきます。涙の出口に当たる涙点にフタをすることにより、涙が長時間目の中にとどまるようにする処置です。コラーゲンプラグは脱落や迷入などの合併症が少ないものの数週間~数か月で吸収されて効果が薄れていきます。シリコン製プラグは長時間効果が続くものの、目をこすったりくしゃみの後に脱落したり、涙点の奥に迷入する可能性があります。