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近視抑制治療について

 スマートフォンやタブレットの長時間使用、屋外活動不足により、子どもの近視は年々増加傾向にあります。
近視が進行すると、将来緑内障・網膜剥離・黄斑変性症などの目の病気になるリスクが高まります。そのため、こどもの近視進行抑制は、将来の視力を守るために非常に重要です。 

当院では、臨床研究で有効性が認められた以下の治療を行っています。ご本人・ご家族とご相談のうえ、お子さまに合う近視抑制治療を選択します。 

 

 なぜ近視抑制治療が必要なのか? 

 近視になると眼球の形が変化し(眼軸長が延び)、網膜や視神経への負担が増すため、中年期以降に緑内障などの疾患を発症するリスクが高まります。また近視の程度が高度であるほどそのリスクが相乗的に高まります。 
一度伸びた眼軸長は背の高さが縮まないのと同じように短くなることはありません。ですから、近視が進行しやすい小児期に近視進行を抑えることが大切なのです。 

 当院が提供する5つの近視抑制治療法 

低濃度アトロピン点眼 

 アトロピンには毛様体筋を麻痺させる効果があり、古くから小児眼科の診断・治療によく使われている薬です。これを低濃度にうすめた点眼液を寝る前に1回点眼することで、近視の進行を抑制できることが示されました。当院ではリジュセア®ミニ点眼液0.025% の処方を行っています。 

  • 寝る前に1滴点眼する 
  • 5歳頃から開始可能 
  • 主な副作用はまぶしさ・近くの見えにくさ 多くは一時的で軽度 
  • 矯正効果はないため眼鏡等の併用が必要 
  • 費用目安:月約4,380円 

詳しくはこちら低濃度アトロピンについて 

 

オルソケラトロジー 

 特殊なデザインのコンタクトレンズを夜間寝ている間に装用し、角膜の形状を変化させることで矯正します。日中は裸眼で遠くをみることができます。小児の近視抑制効果が示されています。夜間、保護者が管理できるときに装用するため、日中コンタクトレンズの管理がむずかしい年齢の小児でも使用することができます。低濃度アトロピン点眼液との併用による近視抑制増強効果も報告されています。

  • 夜間のみ装用する特殊コンタクトレンズ 
  • 慣れるまで異物感がある 
  • 個人差はあるが6~7歳頃から開始可能 
  • -4Dまでの近視が対象 
  • 日中裸眼で過ごすことができる 
  • 感染予防のためのレンズケアが必須 
  • 費用目安:15.4万円(税込)

 詳しくはこちらオルソケラトロジー治療について 

多焦点ソフトコンタクトレンズ

 多焦点ソフトコンタクトレンズは、老視(手元が見えにくくなる症状)を矯正するために開発された「遠近両用コンタクトレンズ」として知られています。この技術を応用し、こどもの近視進行を抑えるための多焦点ソフトコンタクトレンズが開発されています。米国では低濃度アトロピン点眼やオルソケラトロジーよりも広く行われている治療法です。日中に装用する必要があるため、ゴミが入ったときに自分で取り外すなどの自己管理ができる年齢の子どもたちが対象になります。

  • 1日使い捨てのソフトコンタクトレンズのためケアが不要
  • ハードレンズに比べ異物感が少ない。
  • 日中装用する
  • 日中ずれた際など自分で対応する必要がある
  • 個人差はあるが8歳頃から開始可能
  • -10Dまでの近視が対象  
  • 乱視矯正はできない 
  • 使い捨てのため、継続的な費用がかかる。
  • 水泳には向かない
  • 費用目安:約1,2500円/月

詳しくはこちら多焦点ソフトコンタクトレンズについて

 

近視管理用眼鏡 

 こどもの近視進行を抑えることを目的とした「近視管理用眼鏡」が2026年6月から日本国内でも使用できるようになります。2026年6月11日よりMiYOSMART®(HOYA社)、6月11日よりEssilor® Stellest®(Nikon‒Essilor社)が発売されます。近視管理用眼鏡は、網膜周辺部へのピントの合わせ方を工夫する特殊な設計により、眼球が過度に伸びることを抑え、近視の進行を緩やかにすることが期待されす。通常の眼鏡と同様に使用できるため、小さなお子さまでも始めやすい特徴があります。 

当院より眼鏡処方箋を発行し、眼鏡店で作成していただきます。装用開始後は2週間程度でご来院いただき、以後は3~6か月毎を目安に近視の進行抑制状況を判断していきます。 

  • 5歳から装用可能
  • コンタクトレンズに抵抗があるお子さまも始めやすい
  • 取り扱いが比較的簡単
  • 日中は基本的に装用して過ごすことが推奨される
  • 通常の眼鏡より見え方に慣れが必要な場合がある
  • 強い近視・乱視では適応が限られることがある 
  • ずれると見え方に影響するため、定期的に眼鏡店で調整してもらう必要がある 
  • 度数が変化すると再度作成が必要となる
  • 費用目安:レンズ代(オープン価格7-8万円程度)+フレーム代

近視管理用眼鏡を購入できる店舗は下記にて検索できます。

ミヨスマートのご相談ができるメガネ店検索

 

レッドライト療法 

 近年注目を集めている新しい近視抑制治療法です。家庭で専用の機器を用い、目に赤色光を1回につき3分間、1日2回、週5日間を当てて治療を行います。これまでの治療に比べて近視進行抑制効果が高いことが示されています。 

  • ご自宅で1回3分、1日2回機械をつかって赤い光をみる 
  • 3歳から対象 ※治療光を注視できるようになったら 
  • 近視度数の制限なし 
  • 矯正効果はないため眼鏡等の併用が必要 
  • 費用目安:初年度費用16.5万円+年更新料  そのほかにメーカーサブスクリプション料金が必要 

詳しくはこちらレッドライト療法について  

 

治療方法の比較表 

治療法 

特徴 

デメリット 

費用(目安) 

向いている人 

低濃度アトロピン点眼 

毎晩寝る前に点眼する

初期にまぶしさ、近くの見えにくさあり
矯正効果なし

月4,500円程度 

コンタクトレンズが難しい方  
まずは負担の少ない治療から始めたい方

オルソケラトロジー 

夜寝る時に特殊ハードコンタクトレンズを装用  
日中は裸眼で生活可

初期に異物感あり
毎日のレンズケアが必須  
感染リスク

初年度15.4万円程度 

日中は裸眼で過ごしたい方  
スポーツをする方 

多焦点ソフトコンタクトレンズ 

日中装用の使い捨てソフトコンタクトレンズ  
周辺網膜に近視性デフォーカスを作る

コンタクト装用練習が必要  
日中ずれた際など自身での対処が必要 

月1,2500円程度

自分でコンタクトレンズを扱える方  
スポーツや活動的な生活を送る方 

近視管理用眼鏡

特殊設計レンズで近視進行抑制
通常の眼鏡と同じように使用可

通常の眼鏡より見え方に慣れが必要
日中は常に眼鏡を装用して過ごす必要あり
眼鏡店での定期的メンテナンスを要す

レンズ代5~6万円程度+フレーム代 

コンタクトレンズが難しい方 
低年齢から近視治療を始めたい方  
まずは眼鏡で治療したい方 

レッドライト治療 

専用機器で赤色光を1日2回3分見る治療  
高い近視進行抑制効果の報告あり

まぶしさ、残像を感じることあり
専用機器が必要 

初年度16.5万円程度+年更新料+メーカーサブスクリプション料金 

点眼やコンタクトレンズが難しい方  
他の治療で効果が不十分な方  
自宅で治療したい方 

よくある質問 

Q1. 近視を完全に治すことはできますか? 
A. 現在の医学では、近視を元に戻す方法はありません。また、進行を完全に止めることもできませんが抑制する(進行をゆるやかにする)ことは可能です。 

Q2. 何歳から近視抑制治療は可能ですか? 
A. 5歳頃から可能です。発症早期の治療開始がより有効です。 

オルソケラトロジーについてはレンズを装用する必要があるため、小学生以上の方が目安となります。 

Q3. 近視抑制治療はいつまで続けますか?

A.近視の原因となる眼軸長の伸長は、20歳頃まで続きます。治療を開始した年齢、近視の進行状況などにもよりますが、10代後半までは継続されることをおすすめします。

Q4. 途中で近視抑制治療の変更をすることはできますか?

A.できます。低年齢のころは取り入れやすい点眼治療ではじめ、後にオルソケラトロジーに変更(もしくは併用)するなど成長や経過にあわせた治療選択ができます。また、最新の知見をアップデートし、よりよい治療があれば、都度ご提案していきます。

Q4. 保険は使えますか? 
A. 近視抑制治療は自由診療となり、公的医療保険の対象外です。近視抑制治療を検討中の方の検査、診察、ご相談については健康保険で行えます。 

 

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