近視抑制治療について
スマートフォンやタブレットの長時間使用、屋外活動不足により、子どもの近視は年々増加傾向にあります。
近視が進行すると、将来緑内障・網膜剥離・黄斑変性症などの目の病気になるリスクが高まります。そのため、こどもの近視進行抑制は、将来の視力を守るために非常に重要です。
当院では、臨床研究で有効性が認められた
の3つを行っています。ご本人・ご家族とご相談のうえ、お子さまに合う近視抑制治療を選択します。
なぜ近視抑制治療が必要なのか?
近視になると眼球の形が変化し(眼軸長が延び)、網膜や視神経への負担が増すため、中年期以降に緑内障などの疾患を発症するリスクが高まります。また近視の程度が高度であるほどそのリスクが相乗的に高まります。
一度伸びた眼軸長は背の高さが縮まないのと同じように短くなることはありません。ですから、近視が進行しやすい小児期に近視進行を抑えることが大切なのです。
当院が提供する3つの近視抑制治療法
低濃度アトロピン点眼
アトロピンには毛様体筋を麻痺させる効果があり,古くから小児眼科の診断・治療によく使われている薬です。これを低濃度にうすめた点眼液を寝る前に1回点眼することで、近視の進行を抑制できることが示されました。当院ではリジュセア®ミニ点眼液0.025% の処方を行っています。
- 寝る前に1滴点眼する
- 5歳頃から開始可能
- 主な副作用はまぶしさ・近くの見えにくさ 多くは一時的で軽度
- 矯正効果はないため眼鏡等の併用が必要
- 費用目安:月4000〜5,500円(税込)
👉 詳しくはこちら:低濃度アトロピンについて
オルソケラトロジー
特殊なデザインのコンタクトレンズを夜間寝ている間に装用し、角膜の形状を変化させることで矯正します。日中は裸眼で遠くをみることができます。小児の近視抑制効果が示されています。夜間、保護者が管理できるときに装用するため、日中コンタクトレンズの管理がむずかしい年齢の小児でも使用することができます。低濃度アトロピン点眼液との併用による近視抑制増強効果も報告されています。
- 夜間のみ装用する特殊コンタクトレンズ
- 慣れるまで異物感がある
- 個人差はあるが6,7歳頃から開始可能
- -4Dまでの近視が対象
- 日中裸眼で過ごすことができる
- 感染予防のためのレンズケアが必須
- 費用目安:初年度費用15.4万円(税込)+年更新料
👉 詳しくはこちら:オルソケラトロジー治療について
レッドライト療法
近年注目を集めている新しい近視抑制治療法です。家庭で専用の機器を用い、目に赤色光を1回につき3分間、1日2回、週5日間を当てて治療を行います。これまでの治療に比べて近視進行抑制効果が高いことが示されています。
- ご自宅で1回3分、1日2回機械をつかって赤い光をみる
- 3歳から対象 ※治療光を注視できるようになったら
- 近視度数の制限なし
- 矯正効果はないため眼鏡等の併用が必要
- 費用目安:初年度費用16.5万円+年更新料 そのほかにメーカーサブスクリプション料金が必要
👉 詳しくはこちら:レッドライト療法について
治療方法の比較表
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治療法 |
特徴 |
副作用 |
費用(税込) |
向いている人 |
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低濃度アトロピン点眼 |
寝る前1回の点眼で進行抑制 |
軽いかすみ・まぶしさ |
月4,000〜5,500円 |
点眼が苦でない方 |
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オルソケラトロジー |
就寝中に装着、日中裸眼で生活可能 |
違和感・感染リスク |
初年度15.4万円+年更新料 |
裸眼で過ごしたい、スポーツをする方 |
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レッドライト療法 |
赤色光で進行抑制 |
眩しさ、閃光盲、残像 |
初年度15.4万円+年更新料+メーカーサブスクリプション料金 |
オルケラトロジーや低濃度アトロピン点眼が合わない方
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よくある質問
Q1. 近視を完全に治すことはできますか?
A. 現在の医学では、近視を元に戻す方法はありません。また、進行を完全に止めることもできませんが抑制する(進行をゆるやかにする)ことは可能です。
Q2. 何歳から近視抑制治療は可能ですか?
A. 5歳頃から可能です。発症早期の治療開始がより有効です。
オルソケラトロジーについてはレンズを装用する必要があるため、小学生以上の方が目安となります。
Q3. 近視抑制治療はいつまで続けますか?
A.近視の原因となる眼軸長の伸長は、20歳頃まで続きます。治療を開始した年齢、近視の進行状況などにもよりますが、10代後半までは継続されることをおすすめします。
Q4. 途中で近視抑制治療の変更をすることはできますか?
A.できます。低年齢のころは取り入れやすい点眼治療ではじめ、後にオルソケラトロジーに変更(もしくは併用)するなど成長や経過にあわせた治療選択ができます。また、最新の知見をアップデートし、よりよい治療があれば、都度ご提案していきます。
Q4. 保険は使えますか?
A. 近視抑制治療は自由診療となり、公的医療保険の対象外です。近視抑制治療を検討中の方の検査、診察、ご相談については健康保険で行えます。
