低濃度アトロピンについて
1.治療の目的及び内容
低濃度アトロピン点眼液を点眼することで、小児の近視進行を抑制することを目的とするものです。低濃度アトロピン点眼液発売前の臨床試験において、点眼を行わない場合に比べて、小児の屈折値の進行や、眼軸長の伸びを抑制することが確認されました。
近視の進行を抑えることを目的としていますが、完全に近視の進行を止めることはできません。また、この治療は視力を回復させるものではありませんので、近視の程度に応じて眼鏡等での視力矯正が別途必要となります。
2.治療法および治療に要する費用、期間・頻度
低濃度アトロピン点眼液による治療は自由診療(公的医療保険の対象外)です。検査・薬剤費用は全て自由診療となります。投与中、低濃度アトロピン点眼液が原因と考えられる副作用について治療が必要になった場合も、すべて自由診療となります。
(1)治療に用いる薬剤:低濃度アトロピン点眼液
1回1滴を1日1回就寝前に点眼します。
(2)治療スケジュール・費用
検査後、適応と判断されれば治療開始となります。副作用等がなく、治療継続に問題なければ、定期的に効果をモニタリングします。2回目の治療以降は3ヶ月毎の定期的な通院が必要で、治療は近視進行が緩やかになる10代後半まで継続することがのぞましいとされています 。
治療スケジュール |
費用(税込) |
初回 |
近視抑制外来初診料・検査料(6,000円) 点眼薬費用(4,380円/1箱30日分) |
2回目 (初回から1か月後) |
近視抑制点眼管理料(1年分 診察・検査費用含む) 点眼薬費用(4,380×3=13,140円/3箱90日分) |
3回目 以降 (3か月後) |
点眼薬費用(4,380×3=13,140円/3箱90日分) |
※近視抑制点眼管理料お支払いから1年経過毎に下記が点眼薬費用と別にかかります。
近視抑制点眼管理料( 1年分 診察・検査費用含む)(6,000円)
3.主な副作用・危険性
主な副作用として、羞明(まぶしく感じる)、霧視(かすんで見える)があります。
他に、視力障害、頭痛 、眼瞼湿疹が起こることが報告されています。
また、治療を途中で中止すると、近視が急激に進行する可能性があり、自己判断で通院を中止せず、点眼中止後も検査を受ける必要があります。
これらの症状、その他にも何らかの異常が現れた場合には、直ちに医師にご相談ください。
4.問合せ先
ご不明な点がございましたら下記までご連絡ください。
みこしば眼科リニック TEL 052-888-870